2011年1月23日日曜日

ニセコ スキー

 今年も北海道・ニセコにスキーに行ってきました。夫がニセコスキーについてレポートしたいとのことなので、ここからは夫におまかせです。私は後日、今回泊まったヒルトン・ニセコヴィレッジについて書きます。


 では、どうぞ↓

 ニセコでスキーといえばパウダースノーでオーストラリア人が押し掛けているというのが一般的なイメージだと思います。旅行のパンフレットや雑誌とかを見るとなんとなくおしゃれで楽しい感じがするのですが、実際にお金と時間を費やした分を楽しめるかというと必ずしもそうではないと思います。

東京に在住で、年1回スキーに行く、中級者の目線でニセコスキーの長所、短所などをまとめてみました。

<短所>
①遠い・・・単純ですが遠いです。羽田空港まで行って、飛行機に乗って新千歳空港からシャトルバスで2時間~3時間。シャトルバスの3時間が、眠れない場合は相当きついです。ちなみに今回の旅行では朝4時半起きで昼の1時半にニセコのホテルにつきました(約9時間!)。

②悪天候・・・パウダースノーがある山の上部は気温が低く、風が強いのでかなり寒いです。福島のスキー場ではダウンジャケットに防水パンツみたいなのでも転ばなければ普通に遊べましたが、ニセコはちゃんと防寒具をそろえないと本当に厳しいです。
あと、曇りの日が多く、ガスっている(霧で周囲が見えにくい)こともよくあります。最初、一人でニセコアンヌプリのゴンドラの上に行って周りが真っ白だったとき、「無事に生きて帰れるか」という恐怖を感じました。また、天候が悪い日はすぐリフトが運転中止になったり、ゴンドラが減速運転になったりします。実際にそうなるとリフト券代も含めてかなりガックリです。当たり前かもしれないですが、外国人のように1週間とか滞在すれば良い天候の日に滑れる可能性が高まります。

<長所>
①ゲレンデコンディションが良い。毎日雪が降って、気温も低いので雪が軽く、滑りやすいのは間違いありません。アイスバーンとか草むら混じりのコブ斜面のようなコースを心配する必要もありません。

②スキー場内のコース外滑走という楽しみ。圧雪車が通っていないフカフカの深雪ゾーンやツリーラン(木の間を滑る)はエキサイティングです。ニセコの比較的自由なカルチャーとそのチャレンジを技術的に可能にするパウダースノーが組み合わさって、スキーの楽しみの幅を広げています。

 オーストラリアやカナダから上級者のスキー旅行客が来ていますが、彼らが来る理由はこの②だと思います。①のコンディションだけだと、悪天候の短所を補うほどの長所ではないかなと思います。
 今回、初めてファットスキーをレンタルして深雪ゾーンを体験して見たのですが、「雲の上を歩いているような」感じでかなりの感激でした。
 あとスキーを担いで小さな丘を登って、ツリーランをしたのですが、プチ「バックカントリー」のような冒険的要素も楽しめます。ゲレンデ内でもそういう場所がありますし、ゲレンデとゲレンデの間のちょこっとしたスペースにもそういう遊びができるスポットがあります。

<ニセコ3スキー場の感想>
グランヒラフ・・・・キング第3リフト周辺がおすすめです。リフトにフードが付いているので寒くないし、距離も長くないので、滑ってリフトで休んでというリズムが取りやすいです。山頂近辺ほど標高が高くないものの、ふもとほど低くもないので雪質と気温のバランスが取れているし、ナイターがあるのもポイントです。

ニセコビレッジ・・・・天候が良いときは山頂近くまで行くワンダーランドチェア付近がおススメです。急すぎない斜度で軽い雪質のパウダーを楽しめます。ゴンドラ降り場より下の上級コースは斜度が本気で急で、中級者では手に負えないです。初中級コースもなぜかゲレンデがガリガリになっていたりデコボコしたりでリラックスして滑れないことが多かったです。ナイターはフードのあるリフトが無いので、実質上選択肢に入らないと言っていいと思います。

アンヌプリ・・・・人が少ないし、ゲレンデのコンディションが良い。また、ジャンボ第1クワッドはフードが付いているので、ナイターの練習にも便利です。ツアー初日のウォーミングアップに最適だと思います。

各スキー場の移動・・・ゴンドラで上った山中で移動する方が楽です。ヒラフ⇔ビレッジはニセコゴンドラ近くを数分動くだけなので、見通しも良く比較的移動が容易です。もっとも、移動できる時間が15:45分までとか限られているので、たとえばビレッジを下まで降りて、そのあとゴンドラに乗ってヒラフにナイターの練習に行く場合などは余裕をもってタイムスケジュールを組むことが大切になります。一方で、ビレッジ⇔アンヌプリは山頂近辺まで行くリフトを使うことが前提になるので、相応の技術、リフトで登る間の寒さを耐える覚悟、周りがガスで見えなくても目的地へ辿りつけるだけの土地勘等が必要になり、ヒラフ⇔ビレッジの移動よりはハードルは高いです。

<その他>
・ファットスキーについて。ファットスキーとは深雪でもスキー板が沈まないように板の横幅が広いスキーです。ゴンドラで見る外国人のスキー旅行客はほとんどがファットスキーを持っているように見えます。レンタルをすると通常のスキーより1日あたり2千円高かったりしました。深雪でグワングワンたわんで体を上に持ち上げてくれる時は本当に心強いと思いますが、スノーボーダーによってガリガリに削られた固い中斜面等はファットスキーに慣れないとエッジを立てて曲がったり急に止まることがやりにくく最初は心配になります。

・ヘルメットについて。ニセコではスノーボーダーが高速で突っ込んでくるような場面には出くわしたことはありません。もっとも、霧で視界が悪い中での衝突事故や木への衝突事故から身を守るには必要なのではないでしょうか。周りの人は、かなりの割合でヘルメットをしていました。

・パウダーレッスン、ガイドについて。今回、NGSAの坂本先生のレッスンを受けました。全部で3日間しか滑らないので、今の持ち合わせの技術をどこまで改良すればパウダーを楽しむことができるか、自分のレベルにあったパウダースポットはどこか、バックカントリーに出るなど次のレベルに必要な技術や課題は何か等、短時間で収穫盛りだくさんの内容でした。「パラレルまではなんとか出来るよ」という人であれば、レッスンやガイドを受けることでニセコの楽しみを倍増させることが可能だと思います。
http://www.ngsa-web.com/j/lp/

・早朝ゴンドラについて。今回はニセコビレッジの早朝ゴンドラ券を買いました。前述のパウダーレッスンを受けたあとでしたので、実践の場としてすごく有意義でした。また、8時45分からゴンドラより上のリフトが動き出すので、ウォームアップとしても最適です。パウダースポットはは朝10時くらいまででいったん勝負あり(パウダーは人の滑ったあとはデコボコになって滑りにくくなってしまう)だと思いますので、それまでに滑れる場所の物理的な幅を広げておくという意味もあるかと思います。

・バックカントリーや山頂スキーについて。東京で見る限り、正直、「ゲレンデを降りてこれる人であれば・・・」といったたぐいのパンフレットが多く、どれくらいの技術レベルや体力ががあればこうした冒険的なイベントを「楽しめる」のかよくわかりませんでした。あくまで、個人的なイメージですが、やっぱり斜度30度以上の上級者コースでもそれなりのスピードでリラックスして滑れるような技術を身につけてからというのが正しいのだと思いました(バックカントリーの内容にもよると思いますが・・・)。雪崩とかそんな大ごとはさておき、たった一回うまくターンや停止ができなくて、行くべきコースからずれてしまった場合、戻るだけでもかなり体力と神経を使いますし、同行したメンバーにも迷惑をかけます。雪の下が、木の枝か、岩か、川か何なのか良くわからないところできちんとターンをしたり自分のバランスを崩さないというのは頭で考えるよりもかなり難しいことだと改めて思いました。


・最後に、色々書きましたがニセコのパウダーの体験というのは、「遊びの自由度が広がる」という意味で、マリンスポーツでいうところのシュノーケルしかやったことがなかった人がスキューバを体験した場合と似ている気がします。人生に一度は誰にとっても楽しむ価値があると思います。私の場合は技術面を始め色々制約があるので、年1回の楽しみで、というくらいで、来年も機会があれば是非、行きたいとおもってます。

・K2 presents Nimbus productionの"En Route"で北海道を舞台としたスキームービーが無料で見れます。Eric Pollard, Pep Fujas, Andy Mahre等がライダーで面白いです。
http://vimeo.com/49360074

ニセコスキー②
http://doortotheworld.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html

ニセコヒルトン
http://doortotheworld.blogspot.jp/2011/06/blog-post.html

ニセコノーザンリゾートアンヌプリ
http://doortotheworld.blogspot.jp/2010/01/blog-post.html







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